いわゆるWinny裁判

 よくあるアナロジーで、「包丁屋さんが包丁を作ったとして、その包丁で人を刺す奴が現れたら、包丁屋さんは幇助の罪に当たるのか」というのがある。検察の人は「いや、あんたが作ったのは包丁じゃなくて日本刀だろ」と言った。


 裁判官は「技術自体は価値中立的」、つまり「刃物を作った」と言った。


 そのうえで「あんたの作った刃物が人を刺すのにきわめて便利で、実際人を刺すのに頻繁に使われてるのを知った上でみんなに配ってたのだから、人殺しを煽ったとして差し支えない」と結論した。

 著作権制度そのものに影響を与えるほどに「いままでになく切れ味のよい刃物」、またそれを世に問うたことに対して、一定の理解を書きそえるあたりも、いいと思う。この判決を書いた裁判官の皆さんは有能な人たちではないかなと感じる。